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原宿をスニーカーショップだらけにしてストリート・裏原系ブームの礎を築いたと 言われているエアマックス95。ピーク時には30万円というプレ値がつき、 「エアマックス狩り」という事件も起きて社会現象になりました。
エアマックス95はバスケットシューズが人気を独占していたスニーカー市場に ハイテク系ブームを起こしたエポックメイキングなスニーカーなのですが、 日本のスニーカーシーンが世界中から注目されるきっかけとなったスニーカーでもあります。
それはエアマックス95はファンが呼び名を変えたナイキ史上初のスニーカーであり、 その発端が日本のファッション誌にあったからです。それが『エアマックス クロニクル』の 「あのエアマックスブームとは何だったのか?」で語られております。
エアマックス95って呼んだのは、スクエアが出てきて分類がすごく難しくなったから。 エア180の時点で既に複雑だったんだけど、それまでは、エアマックス1、2、3って呼んでいた。 で、スクエアをどこに入れるかで悩んだ結果、年号にした方がわかりやすいって ことになったんだよね。イエローグラデって呼んだのも、雑誌って、 見出しの短い分の中にいかに情報を詰め込むかが大切でしょ。だから裏ダンクも、 リバースダンクより呼びやすかった。
こう当時を振り返るのはブームの最前線にいた『Boon』のライター岸氏。 これがきっかけとなりエアマックス95(年号で分ける通称)が世界的な通称になり ナイキもそれを正式名称として採用するにまで至ったそうです。 それまではバリエーションが豊富でも「エアマックス」で統一されていました。 日本の熱狂的なブーム、世界に発信された東京のスニーカーカルチャー、 共振する世界中のスニーカーファン。それがネーミングに関して厳格なナイキの方針を 曲げたというのは凄いですよね。ファンによって正式名称が変えられた唯一のモデルだそうです。
本書が企画されたきっかけは90年代のファッションが注目を集めている、 ミタスニーカーズがエアマックス95のプロトタイプを復刻、エアマックス2013は 5年ぶりのニューソールであることなどいろいろあるかと思いますが、 やはり90年代のトレンドやランニングブームの影響なのでしょうね。
私もエアマックス95の洗礼を受けた世代ですけども、学校にエアマックスを はいてくる人がいようものなら学年やクラス関係なく噂が入ってくるくらいでした。 昼休みに見に行こうぜ~とまるで芸能人的な扱いでしたね(笑)
そんなことを思い出しながら本書を読んでいたのですが、エアマックス95を はいているイチローが登場したり、初期ロットはシングルステッチというウンチクがあったり、 広末涼子着用モデルうんぬんなどあり懐かしくなりました。
95のディーテルの変遷、エアマックスシリーズのカラバリやコラボ・別注のカタログ、 エアのテクノロジーの話、業界人の昔話や着こなしスナップなど包括的な アプローチで面白いムックです。スニーカーファンはマストな一冊だと思います。