サイゾー7月号の特集は「ファッションタブー事情」

サイゾー 2013年 07月号 [雑誌]
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サイゾー 2013-06-18
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流行の速度が加速し、スクラップアンドビルドが繰り返されるファッション業界。 ここ最近ではユニクロの就労問題や女性ファッション誌の新創刊が話題になっているが、 そんな業界の最新トピックスを専門紙編集長、現役アパレル社員らの弁から見ていこう。

 業界人が座談会形式で斬る昨今のファッション誌、裏原終焉物語、識者が語るユニクロ問題、 躍進を続けるマークスタイラー社の成り立ち、女性誌と芸能プロダクションの関係(読モの話)など、 業界関係者や識者が解説する最新ファッショントピックという内容の特集になっています。

 タブーらしい話と言えば、ファッション業界とユダヤ人についてファッション評論家の 平川武治氏がガリアーノ事件を絡めて4ページにわたり解説しているくらい。 これも氏のブログでいつも主張されていることなので特に目新しい話はありません。

 それでも、タブーは芸能ゴシップのような人間関係の話かな?と予想していたので、意外と硬派な特集で読み応えがありました。全体的に闇を暴くというほど深く掘り下げてはいませんが、 今話題のトピックスがよくまとまっているのでファッション好きなら読んでおくのをオススメします。

「ファッション情報は雑誌からウェブの時代に移ってきている」
「裏原が死んだってよりは、ファッション誌が死んだの」
「ギャルモデルの間には、オンナ好きの成金社長との飲み会ネットワークが存在するんですよ(笑)」

個人的にはこのあたりの話が印象的でした。

脱オタ本の決定版『THE MEN'S FASHION RULE BOOK』の夏編が登場

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 毎号、ファッションビギナーに向け教科書のような誌面作りをしているsmartから そのハウツーを一冊にまとめたムックの夏編が登場。 前号同様、ワードローブの揃え方、コーディネートの組み立て方、 スタイリングのコツと三位一体でオシャレ指南をしており、ほどよくトレンドも組み込まれているのでオススメ。 これを読めばマニュアル系のファッション誌を読む必要はないと思います。 それくらいよくまとまっております。どんな内容かは 前回のレビューを読んでいただければ幸いです。

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MonoMaxから『メイド・イン・ジャパン傑作ブランド図鑑』が登場

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 ここ数年、「メイドインジャパン」をテーマに特集を組むファッション誌が増え、 日本製に特化したセレクトショップなども出てきておりますが(例えばSTUDIOUS)、 意外とありそうでなかったのが日本製ブランドに特化したムックです。

MonoMaxで取り上げる洋服、カバン、靴、革小物を取り扱うブランドの中でも、 日本製にこだわるブランドが今、増えています。 それはファッション界全体の流れとして、改めて“日本のモノ作り”が 評価されていることでもわかります。そこで、本ムックでは、 まずポール・スミスやトッド・スナイダーをはじめとする海外の有名デザイナーに 日本製の魅力を語ってもらいました。また、こだわりの日本ブランドを厳選し、 職人の工房の貴重な写真を多数掲載しながらその真価を探る、永久保存版の一冊です。

販売部数が好調なモノ系雑誌MonoMax。裏原系ブランドをよく取り上げていたSmartMax時代の名残なのか、 HUMAN MADE、WTAPS、SOPHNET.、WACKO MARIA、N.HOOLYWOODなどが出てきております。 いわゆるストリート寄りのドメブラ(裏原系)が中心。あとは、KURO、LOOPWHEELER、 REMI RELIEFなどBeginでおなじみのブランドも。

 なので、『メイド・イン・ジャパン傑作ブランド図鑑』というよりは、 『メイド・イン・ジャパン裏原ブランド図鑑(あのブランドは今)』みたいな 感じでしょうか(笑)

 ただ「メイドインジャパン」というテーマで取り上げられるのは職人寄りの老舗ブランドが多いので、逆にこの切り口は新鮮に感じたのと、 裏原系にぼったくりというイメージを持たれている方は本ムックを読めば認識が変わるのではないでしょうか。パイドパイパーやリボルバーなどの懐かしい名前も出てきました。

 内容的には、モノ系雑誌らしく各ブランドの「傑作品」の作り込みを紹介していたり、ブランドプロフィールをまとめていたりするのですが、冒頭で登場するポール・スミスやトッド・スナイダーといった海外クリエイターが語る日本製の魅力が面白かったですね。5人中3人がジーンズに言及しており、やはり世界に誇れる日本製品と言えばジーンズのようです。

2nd SNAP第5弾は「普段見せない業界人の私服スナップ」

別冊2nd vol.13 2nd SNAP(セカンドスナップ) 5 (エイムック 2622 別冊2nd Vol. 13)別冊2nd vol.13 2nd SNAP(セカンドスナップ) 5 (エイムック 2622 別冊2nd Vol. 13)

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 スナップ本が量産されていた昨年と比べ、 今年はスナップ本の数がぐっと減りましたが、その中でもシリーズものとして続いているのが Snap LEONと2nd snapの2冊。Snap LEONは9冊目、2nd snapは5冊目になります。

 Snap LEONの方は相変わらずイタリアでスナップしたお洒落なイタリアオヤジが登場する感じなのですが、 2nd snapの方は「普段見せない業界人の私服スナップ」と趣向を少し変えてきました。

 ストリートスナップは「素人の等身大コーディネート」に良さがあります。 2nd snapもたまにプロが混ざっている程度(よく見るとたくさんいらっしゃいますが笑)で、 あくまで街中で見つけたオシャレな人を紹介するというスタンスだったのですが、 今号は素人ではなく玄人ばかりで構成されたスナップ本になっております。 おそらく業界人に特化したスナップ本は初ではないでしょうか。

 出てくる業界人はデザイナー、プレス、モデル、ショップのオーナー、フォトグラファー、 スタイリスト、取締役など200人弱。ファッション誌でおなじみの面子から ほとんど見ない人まで幅広く登場。このブランドのデザイナーってこんな感じだったんだ? と読めば発見の連続だと思います。そして関西のショップオーナーが無駄に よく出てくるのも特徴です(笑)関西在住の方も楽しめますよ。


 スナップブームでマンネリ化してきたからか、玉石混交の石が増えすぎたからなのか、 ショップブログでコーディネートを晒すのが常態化してきたからなのか、 ファッション誌を読んでいると最近は業界人の私服、愛用品、 ライフスタイルなどが紹介されることが多くなってきたように感じておりますが、 スナップブームは素人から玄人へと移ろうとしているのでしょうか?

着こなしのハウツー本ブーム?とりあえず『別冊ライトニング130 The Rules of Fashion』が凄い

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 スーツ、大人のカジュアル、シャツ&タイ、腕時計、眼鏡、エトセトラ。今年に入り着こなしハウツー本がすでに10冊ほど出ています。 昨年はスナップ本が量産されましたが今年はハウツー本です。男性誌特有のモノマニア的視点から女性誌のような着こなしメインへ。求められている情報も変わりつつあるのでしょうか。

 ハウツーと言ってもトレンド色が強くファッション誌の延長上のカタログ的ムックが多い中、 Lightningの『別冊ライトニング130 The Rules of Fashion』は保存版とも言える濃い アメカジのルールブックになっています。さすが今まで分厚くマニアックなムックを 次々と出してきたLightning。ボリューム、うんちく、マニアックな視点、業界人の着こなしのお手本など、 アメカジに関しては圧倒的。

「アメカジの決まりごとを集めたルールブックはおそらく本書が初めてではないか。 ファッションを含めたアメリカンカルチャーを追い求めて約20年。 そんな『ライトニング』が、皆さんのアメカジライフがもっと素晴らしいものになりますようにとの想いを込めて、 僭越ながら勝手にルールを決めさせてもらった」

このように前書きからは自信を感じさせます。そのクオリティーはいかほどのものなのか。 以下、簡単に内容を紹介していきたいと思います。

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