
カバーは『ゆるゆり』のなもり氏
名著?それとも迷著?かの有名な『脱オタクファッションガイド』が 『脱オタクファッションバイブル』になって帰ってきました。
2009年の『脱オタクファッションガイド改』は脇が甘い内容修正で辛辣な レビューをすることになりましたが、まさか自ら「バイブル」と称しそのハードルを 上げてくるとは思いませんでした。これで気に病むことなく思う存分叩けますね、やったね!
というのは冗談ですが、『脱オタクファッションガイド』が刊行されてから 10年という節目である昨年に出しておくべき本だったというのがまず最初に思ったことです。
ちなみにファッション界では数年前からゴージャスで装飾性の高い80年代や、 ストリート色の強い90年代をリバイバルしたスタイルが人気でしたが、 最近ではアイテム数と装飾性を抑えたシンプルでベーシックなスタイルが急速に台頭しつつあります。
「脱オタクファッションバイブルP30」
今はシンプルでベーシックなトレンドとして消費された「ノームコア」が急速に過ぎ去ろうとしており (装飾性の強いタッキーというトレンドがカウンターとして登場)、 90年代のストリートや80年代のDCブランドブーム復活か?と言われている状況なので逆ですね。 『もうミスらない 脱オタクファッションバイブル』という本書のタイトルではありますが、 自ら率先してミスるという男気を見せております。フラグ回収お疲れ様です。
このトレンドは結構身近なところまで降りてきており、 脱オタでよく名前が出てくるユニクロですらルメールとのコラボで80年代的なツータックパンツをお洒落着として打ち出していますし、 春先によく見る定番トレンチコートも「テロンチ」とオーバーサイズ気味のビッグシルエットになっています。 ノリは80年代、90年代なんですね(特に80年代が熱い)。
2014年のノームコア台頭、それがマスにまで広まった2015年なら無難を目指す脱オタク ファッションはぴったりの内容だっただけに実に惜しいと言えるのですが、 これ以上トレンドの話をするとどんどん脱線していくので、 本題である10年前と今の違いについて触れていきたいと思います。
※今のトレンド(80年代、90年代のノリ)に興味のある方は今発売されている 『BRUTUS NO.820』に目を通してみてください