「買っていはいけない報告書」SamuraiELOがファストファッションにダメ出し

Samurai ELO (サムライ イーエルオー) 2014年 02月号 [雑誌]Samurai ELO (サムライ イーエルオー) 2014年 02月号 [雑誌]

インフォレスト 2013-12-24
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 高校生を主なターゲットにしているストリートファッション誌SamuraiELO。 2月号の特集は「お年玉でコレを買え!」。 「買うべき」と「買ってはいけない」アイテムの境界線を探るという特集で、 CHAPTER1の「優秀アイテム100選」のセレクトも秀逸なのですが、 注目すべきはCHAPTER2の「買ってはいけない!報告書」の方です。

 SamuraiELOは11月号の特集「ユニクロの長所と短所で「絶対に買ってはいけないアイテムはコレ!」と 具体的にアイテムを提示し辛口批評をしておりましたが、 今回の特集はその枠をファストファッション全般まで広げたようです。

 内容はコスパが高いと言われているファストファッションにも当たり外れがあり、 モデルが実際に着用して採点していくという企画です。消費者目線のリアルなダメ出しが参考になり、 「買うならこっち」と対案を出している点も素晴らしいなと思いました。

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 登場するアイテムは全部で17(24までやれば良かったのに)。 誌面では一応ブランド名は伏字になっていますけど、 きちんと定価まで書いてあるので特定は容易です。とても隠す気があるとは思えず、「デデーン、スピンズ、フォーエバー21、H&M、GU、アメリカンアパレル、 アメリカンイーグル、Gap、しまむら、ウィゴー、アウトー! 」という声が誌面から聞こえてきそう。 ZARA、無印良品、ユニクロ、オールドネイビー、トップショップなどはセーフでした。


 同じファストファッション特集でもブランドを賞賛するばかりのファッション誌が目立つ中、 その良し悪しを臆さず誌面で指摘する最近のSamuraiELOは面白いですね。 次はセレクトショップオリジナルに切り込むことを期待しております。

monoマガジンno.706はMADE IN U.S.A大特集

mono (モノ) マガジン 2014年 1/2・16合併号 [雑誌]mono (モノ) マガジン 2014年 1/2・16合併号 [雑誌]

ワールドフォトプレス 2013-12-16
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 POPEYEの前身ともいえる伝説のムック『MADE IN U.S.Aカタログ』。 その表紙のオマージュからもわかるように、monoマガジンno.706は一冊丸ごとMADE IN U.S.A特集です。 合併号という理由もあるのですが、これだけ分厚いmonoマガジンはちょっと記憶にありません。 それだけ力が入っておりその意気込みも熱いのです。

多くの日本人が持つ、漠然とした「アメリカ=大量生産・大量消費」というステレオタイプな考えが、 実は多くの情報不足によるものだと知らしめたいし、21世紀のアメリカ製品が、 多様な価値観の中で新しい輝きを放っていることも知って欲しい。

 MADE IN U.S.Aにこだわるブランドが100~200程度出てくるカタログ的なものではなく、 工場やブランド関係者に取材しアメリカのモノ作りの視点を追いかけていくという内容。 ワールド・ムック『ワークウェア』シリーズのような読み応えがあり、 もはや雑誌ではなくムックに近い特集です。

 登場するブランドは、アップル、リーバイス、ギャレットポップコーン 、BOSE、 イームズまでファッションだけではなくライフスタイル全般をカバー。 ブランド数は30ほどしか取り上げらていませんが、その分深く掘り下げている感じです。

 フィルソンのマッキーノクルーザーには「シアトルフィットと「アラスカフィット」がある。 ベルバシーンには「ブルーレーベル」と「イエローレーベル」がある。 時計を駅の売店で最初に販売したのはタイメックス等々。 とにかく新旧ネタが豊富なので読めば何かしら新しい発見があるのではないでしょうか。 ボリュームもあるので年末年始に読むのにちょうど良いかと思います。 書店から消える前に早めに買っておくのが吉(今号はそれくらいのクオリティー)。

FINEBOYSが理系男子にファッション指南

FINEBOYS (ファインボーイズ) 2013年 12月号 [雑誌]FINEBOYS (ファインボーイズ) 2013年 12月号 [雑誌]

日之出出版 2013-11-09
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 ネットでも「チェックのシャツ」や「デニムシャツ+チノパン」というスタイルのカブりっぷりが度々ネタにされている理系男子。大学生向けのファッション誌FINEBOYSがそこに目をつけ、12月号で「理系男子に多い"手抜き服"その傾向と対策!」と 理系男子にターゲットを絞った特集を組んでいます。

 FINEBOYSによると、理系男子で多いのは次の6パターン。

1.チェックシャツ男子

ウール、コットンなどなど素材に違いはあれどチェックシャツで毎日を 過ごす男子の総称。

2.ジーパン男子

とりあえずデニムはいてます的な安心感からか、ついつい手を抜いて しまいがちな彼ら。

3.黒装束男子

黒だからカッコいいと、勝手に決めつけているのがこのタイプ。

4.中間色男子

基本的にアースカラーで地味な印象を与えがちなのがこのタイプ。

5.服だけ男子

周囲より服装に気を使っているが、そこに満足してしまって頭と足元まで 意識がいかない男子の総称。

6.七五三男子

お母さんが買ってきた服を着てきたと言われても違和感のない優等生コーデを してるのが七五三男子。

よく6つも考えたなと感心しましたが、あるあるネタなのでしょうか?

 チェック柄、垢抜けないデニムスタイル、全身黒、ママカジは脱オタ議論が 活発だったころからあるオタクファッションの鉄板ネタです。そこに新しく服だけ 男子(脱オタ失敗男子)が加わり、ミリタリー系の代わりにアースカラー男子が その枠に収まった感じにも見えますが、 あまり理系男子関係ないような?

 一応、その傾向(ダメ出し)や改善策なども載っておりますので気になる方は本誌でご確認くださいませ。 週刊誌アエラでも理系男子企画を展開予定とのことです。

 それにしても、これからは脱オタファッション( ブームは終わった)ではなく、脱理系ファッションブームでもくるのでしょうか?

 オタク文化の隆盛で脱オタする必要はなくなり、さらにオタクだからといって ダサイという時代でもなくなりました。ファッション誌では読モがオタク宣言し(コスプレまで披露する)、 アニメ・マンガの特集はもはやファッション誌の定番です。 二次元キャラが表紙を飾るのも珍しいことではありません。

 こうなってくると、ファッション指南の対象にオタクを使うのは面白味がないので、 オタクの次にファッションに興味がなさそうな理系の大学生・院生 (忙しくてファッションにかまけている時間はない)がその枠に 選ばれてしまったのかもしれませんね。

men's egg休刊号から見えてくるギャル男文化衰退の理由

men's egg (メンズエッグ) 2013年 11月号 [雑誌]men's egg (メンズエッグ) 2013年 11月号 [雑誌]

大洋図書 2013-10-12
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 ギャル男文化を牽引してきたファッション誌men's eggの休刊は一般誌にも取り上げられるほど 話題になっています。その見解として、「ギャル男の数が減った」 「ギャル男が多様化した」「渋谷が健全化した影響」などが挙げられていますが、 men's egg11月号でギャル男文化を語る歴代モデルやブランド関係者たちは どのように考えているのか。その熱い語り口から見えてきたギャル男文化衰退の理由をまとめてみました。

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休日のお父さんのためのファッション誌『Donitti』

GetNavi Donitti (ゲットナビ ドニッチー) 2013年 11月号 [雑誌]GetNavi Donitti (ゲットナビ ドニッチー) 2013年 11月号 [雑誌]

学研マーケティング 2013-09-24
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本誌のコンセプトはズバリ、”ドニチのお父さんのための休日ファッションの教科書”。 ジャンルは、洋服。カバン、シューズ、時計、メガネなど。 肩肘張っていなくて、でもなんだかオシャレ。なんだかヨメウケもいいし、なんだか子供ウケもいい。 そんなファッションをご紹介していきたいと思います。

 快適なライフスタイルをナビゲートする旬情報満載マガジンGetNavi。 4月には『Get Navi fashion』というムックを出しましたが、 今度は休日のお父さんのためのファッション誌『Donitti』を創刊。 こちらもBeginやMonoMaxのようなモノ系のファッション誌です。

 他誌との違いはコスパの良い服(バリュー服)が多く掲載されており、 セレクトショップだとcoen、ビーミングライフストア、アーバンリサーチドアーズなど 比較的安めの価格帯のショップ(ファミリー層向け)が登場します。

 「大人の服は上質で値段も比較的高いモノを~」という従来のファッション誌の アプローチとは真逆の等身大路線です。着こなしも外人モデルを起用したり、 洗練されたスタイリングを提案するわけではなく、アラサーのセレクトショップ店員の スナップを100人以上載せるという方法を取っています。

 良くも悪くも、掲載されているアイテムがほぼ全てセレクトショップの商品であり、 着こなしもセレクトショップの販売員がお手本。これって、セレクトショップの カタログを読んでいるようなもので、セレクトショップに足を運べば本誌は特に必要ないんですよね。 ネットで各ショップのサイトを巡回するだけでも十分事足ります。

 MONOQLOのように商品を比較し品質の検証をしたり、Beginのようにマニアックなブランドを掘り出したり、 mono magazineのように読み物(ウンチク)を充実させたり、 MonoMaxのようにわかりやすいランキングやグラフを作成するなどもう一工夫欲しいところ。